経験は湿布なんかじゃ消えないんだから

　やたらと感動することが増えた。
　感動VTRで涙ぐむタレントを、昔はせせら笑っていたけれど、どうももう、そちら側ではいられなくなってきているようなんだ。

　あらやだ、これが歳ってやつかしら。

　感情移入しちゃうというか。経験があるから移入っちゃうんだろう。

　歳をとるごとに、経験は増える。
　歳をとるごとに、しわは増える。

　経験がじぶんの体に、知らず知らず積もっていって、その重さで肩が痛くなる、腰が痛くなる、涙もろくなる。だったらいいなと。肩こりも腰痛も捨てたモンじゃないよ、と。
　たのしく年をとりたいもんだ。

川柳っぽいなにか

　おれよりも

　R2D2のが

　話が上手い

　おそれあり。

そのときは、またよろしく。

　生まれてからのおむつ。

　死ぬまでのおむつ。

　考えてみるとおむつは、生まれてからのちょっとと、死ぬまでのちょっと、しか使わないんだよなあ。

　人生の中で、おむつと同じような関り方をする〝モノ〟って他にあるだろうか。思いつかないぞ。

　誰に頼まれたわけでもないのに、不意におむつについて考えてしまっていた。


　はじめまして、おむつ。八十年後くらいに、またよろしくな。

ソロデビュー

　すい、きん、ち、か、もく、ど、てん、かい、めい。

　そう覚えたけれど、いまや冥王星は太陽系には属さない。

　アイドルグループの一員としてデビュー、のちにソロデビューみたいなものだろうか。
　「私、今日で太陽系を卒業します！」

　軽く調べたら、惑星から小惑星に分類されちゃったらしい。
　ソロデビュー、というか普通の女の子に戻ったみたいなものだろうか。

　「普通の女の子に戻ります」
　そういって、冥王星はステージにマイクを置いて、去っていった。


　最近のアイドルっぽいと思いながら書いたはずなのに、昭和のアイドルみたいになってしまった。

たまったメモの処理はまだまだ終わらないんだから

　買い物しようと町まで
　でかけたら

　財布を　忘れて
　SO　FOOL　な　サザエさん